2013年、11月16日、下北沢の440というライブハウスにて行われたDAG FORCE & LAZY Stones.のライブにて、ミュージックカードのサービスMusiusがローンチされました。

「ライブの音源データをその日のうちにダウンロードできる」「プレスよりも安価で早くできる」「ダウンロード音源とは違って、会場でコミュニケーションを生み出す」「サンプル盤の概念を変える道具にもなる」などのコンセプトを元に、構想数時間、本格的な制作開始から1週間で最初のリリースとなるDAG FORCE & LAZY Stones.のライブを迎えることとなりました。

リリース翌日である今日、これまでを振り返りたいと思います!

Musiusができるまで

作ったきっかけ

10月某日、DAG FORCEからの電話で、ダウンロード販売がしたいという話を受けすぐに打ち合わせ。

渋谷のカフェで、何がしたいか、どうしたいかという話をしたところ、普通に受託でそれを実現するには百万オーバーで取らないとお話にならないレベルでした。

それを整理し、これとこれとこれなら多分もっと安くすむね。という話と、事業化ありきでレベニューシェアなり起業により、エンジニアに相談することもできるかなというところで落ち着き、ある程度自分の中での用件定義が詰まってくるまで、触ったこともないRuby on RailsをVagrantにセットアップし、せこせことrake dbをする毎日がはじまりました。

が、1週間あってもそもそもプログラマではないので、そんなにうまくいかないんですよね。普段の仕事は普段の仕事でしてますし。

チームの結成

10年以上の付き合いである@mah_labというRails使いのエンジニア、それからもう1人の友人であるインフラエンジニア。

彼らと完全に別件のwebサービスを作ろうかという話で盛り上がっていた中、とりあえず飲みにでもいくかと。

四谷の蕎麦屋居酒屋みたいなところで飲みながら色々話している中、ミュージックカードの相談を。

マネタイズの方向性、現状でのボトルネック、ピボットできる方向性、コンパクトなはじめかた。こんな話をして解散。

3日後別件サービスのハッカソンをするつもりで集まった僕らに、@mah_labが驚愕の一言を発したのです。

「じゃあミュージックカードの話をしようか!」

この男、アホです。唐突です。でもイケメン。

開発初日

昼過ぎに集合し、夕方までアイデアソンを行いました。

基本的なコンセプトをまとめたり、どこでマネタイズする余地があるかを考えたり、システム設計をどうするか考えたり。

その後、3時間くらいで機能のほとんどを実装し、DAG FORCEを召還。

次のライブいつ?やる?ってな具合で6日後にファーストユーザーによる実戦テストが決定。

その上でKPIをまとめ、検証ポイントにあわせた開発をその後1週間で進めることとなりました。

6日間の開発

全員がそれぞれ普段の仕事がある中、帰ってからの数十分なり数時間で開発を行うために

  • アイデアのディスカッションをするためのチャット(HipChat)
  • ソースコードを共有しバージョン管理を行うGitと課題やドキュメントの管理(Bitbucket)
  • ステージングと公開用のサーバ(heroku)

を利用して開発を行いました。

HipChatが良かったのは、誰かがリポジトリにプッシュすると通知されたり、herokuへのデプロイの情報も通知されるなどの機能が揃っていたこと。

最初はとにかくお金をかけたくなかったので、プライベートリポジトリを作るのに課金が必要なGithubではなく、ユーザー数で課金というシステムであるBitbucketを採用。

Ruby on Railsでの開発ということもあり、サーバの手配はHerokuで行いました。

ある程度ユーザーが増えてもスケールが簡単にできること、インフラまわりが整備された状態からスタートできることが一番のメリットですね。

将来的にサービスが大きくなればAWSによる運用も視野には入れていますがまだ先の話でしょう。

デザイン的に言えば、正直作業時間としては決して長い時間をとれるわけではなかったのですが、最終的にエンジニアが書き足す事もふまえ、今回担当したダウンロードページについてはHTMLをHamlで、CSSはSass(scss記法ではなくsass記法で)で書いています。

Hamlの手応えとしてはまだEmmetで書いた方が早いですが、慣れればほぼ同じ速度で書けそう!といったところですね!

その間に今回のローンチにあたってカード裏面の原稿を用意し、DAG FORCEチームのデザイナーである大ちゃんにカードを作ってもらうための準備など、色々なことを粛々と進め、当日を迎えることになりました。

当日の動き

本当は朝から色々作業がしたかったのですが別件の用事もあり、動きだしは午後になってしまいました。

2時くらいに下北沢オープンソースCafeですでに作業を始めていた@mah_labと合流し、ダウンロードページまわりの整備とデプロイを。

5時過ぎに会場でメンバーと合流。完成したカードとご対面。440の店長自らポスター的なPOPまで用意してくださってもう・・・。

色々と記念撮影をしたり、ちょっとした当日の打ち合わせをしたり。

ライブは相変わらず凄く良くて、色々と不安だったけど、メンバーのRIOくんがサウンド面でのエンジニアとして、LR2系統で録音した音源をその場で、かなり良いクオリティでエディットまでしてくれたおかげで相当良い音源が用意できたと思います。

このあたりの実況はMusiusのFacebookページにて随時アップしていましたので、ぜひみていただければと。

この裏側の話としては、そういえばエラーが起きた時のための問い合わせフォームないよね?とかっていうのを会場内で作ったり、通常のワークフローとは別のバタバタ感もありましたがなんとか成立できたと思います。

今回僕らがKPIとして設定した項目については概ね取れていると思います。

思った以上にアーティストからも、お客さんからも受け入れてもらえて、ライブハウス側も興味は持ってもらえていることを確信できたと同時に、会場でのヒアリングで感じた事を含め、これからサービス自体を良くしなくてはいけない部分でバージョンアップしていくこと、たくさんのボトルネックの解消などなど、様々な問題もありますが、一歩一歩進んでいけたらと思っています。

というわけで、皆様、Musiusをよろしくお願いいたします!

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