デザインにおける、全体を俯瞰しながら細部を作り込むということの難しさ
最近ちょこちょこと、マーズナレッジでトレーナー業を不定期でやっています。
HTML/CSSのコーディングだったり、デザインだったり。
人によってはJavaScriptの初歩なんかもトレーニングをしています。
トレーナーをやっていると、デザイン初学者がどんな組み立て方をしているのかというのを見る機会が増えるとともに「ああ、そうだよね。そうなるよね。」というポイントとして、引き算のデザインができない。難しいといったことが挙げられます。
なぜ引き算のデザインができないのか
デコラティブな表現による装飾や、その手法にデザインが存在しているという感覚は、言葉だけではなかなか理解ができません。
本質的に、情報のつながりや強弱といったものを、きちんと整理することができていないことが多いです。
情報を整理するのは、そこまで難しいものではありません。
しかし、頭の中や初期段階の画面上で整理をすることができていたとしても、それを完成に近付けていく段階で破綻を迎えるのです・・・。
作り進めるとともに破綻を迎えるデザインのロジック
さて、デザイン初心者のデザインが、作り進めていくと、途端に破綻するのはなぜでしょうか。
それは、全体を俯瞰しながら細部を作り込む能力が不足していたり、そもそもその概念を忘れてしまうことが多いのではないか。と考えています。
具体的に、初心者のデザイン失敗例の一例をあげてみましょう。
- 文字要素を羅列する(原稿の作成)
- 重要度ごとに文字のサイズや太さで差別化をしていく(情報の整理)
- レイアウトや見た目を作り込み始める(このあたりで迷走を開始)
- 一部のパーツにこだわりはじめた結果、全体のバランスが狂っていく。
- オワター!\(^o^)/
といった具合に、差別化した情報に装飾を入れ始めた時点で壊れていくことが多いですよね。
これを防ぐ方法は2つ。
- 装飾やレイアウトの理由を明確に持つこと。
- 全体を俯瞰し続けながら細部を作っていくこと。
じゃないかと思っています。
その中でも、全体を俯瞰しながら細部を作るという工程は、デッサンに非常に近いのです。
一部にこだわった結果のゴチャゴチャやアンバランスを、僕は勝手にラボルトギャル化現象と呼んでいます。
ラボルトギャル化現象とは
ラボルトとは、石膏像のデッサンをやったことがある人が、ほぼ100%の確率で最初にトライする石膏像のモデルです。
で、初心者の石膏デッサン、木炭画でも、鉛筆でも、先生に教わりながら書いたとしても、よほどデッサンに対するセンスがない限りは目力が恐ろしいことになったり、全体が黒くなりがちです。まさに黒ギャル。パラパラを踊りそうなギリシャ人。まさにカオス。
何故そんなことになるのでしょうか。
主な理由は以下の通りです。
- 目など、主要なパーツを頑張って書き込んだ結果、そこだけバチバチしてしまう。
- 頑張って書き込めば書き込むほど、相対的にその部分が暗く・黒くなるがゆえに、全体を書き進めると真っ黒になっていく。
これって、デザイン初心者のバランスがおかしくなっていったり、ゴテゴテしていったりする原因と一緒なのではないでしょうか。
石膏像が黒ギャル化しないための方法は平面デザインに応用できる!
全体を見ながら、バランスを見ながら書き込む、作り込むという感覚を身につけることができれば、スッキリしない、初心者や素人の香りの漂うデザインから一歩抜け出すことができます。
ただ、これには相応の鍛錬が必要です。
純粋なデザイン原則を表現できるようになるために、形をきちんと捉えたり、綺麗に表現をするデッサンをやる必要はないけれど、経験は生きるのではないでしょうか。
全体への意識を持ち続けながら、きちんと概念が実践できるようになった瞬間、その人がデザイナーとして数段ステップアップして化けるという現象は多く見受けられるんですよね。
概念を実践できるようにするためには
マーズナレッジのトレーニング、オススメです。笑
イシジマ先生、佐々木先生をはじめとした先生たち(たまに僕も・・・)が、基礎をきちんと身につけ、世の中のトレンドが変わっても、どう勉強し、対応すればいいのか、といったところをトレーニングしてくれますよ!
スカイプでのトレーニングもあるので、遠隔地の方も安心ですね!