バンド経験者にしか伝わらない、最近のインターネット広告の用語とか概念的な何か
僕が広告やクリエイティブの業界に入ったのは、バンドをやっていた頃に「どうやったら売れるのか」とか凄く考えていたのがきっかけだと思います。
なんせ、バンドマンは基本的にお金がないので、結構一生懸命考えるんですよね。
そこで、最近のインターネット広告の略語・用語をバンドの集客や運営に当てはめてみたいと思います!
目標ってなんだろう
最終目標はそれぞれ、チャートで1位を取るとか、メジャーデビューとか武道館とか、いろいろあると思います。
どんな目標であっても、一番地道で確実な方法はファンを増やすこと。
ファンであることの定義はいろいろあるとは思いますが、ここでは便宜的にお金を払ってライブに来てくれる人をファンと定義したいと思います。
コンバージョンという概念
ファンを増やすためには、まずライブに来てもらわなくてはなりませんね。
となると、ファン数を示す重要な要素はライブあたりの観客動員数になるでしょう。
チケットをあげたにしても、買ってくれたにしても、まずは観客を増やすことです。
インターネット広告では、そのページやサイトなど広告物からの一定期間における最終目標(資料請求や問い合わせ、商品購入数など)をコンバージョンと言います。
バンドの場合は、一回のライブあたりの入場者数をコンバージョンとしてカウントするとわかりやすいのではないでしょうか。
ライブ集客に至るまでの流れ
チラシ、WEBサイトを作る、友人を誘う、などなどいろんな集客方法があります。
多分こんな感じが多いんじゃないかなあと思います。
どれもライブに集客するための広告活動です。
バンドマンはみんな必死ですから、とにかく頑張ります。
メンバー同士で「何人に声かけた?」なんて会話があるのではないでしょうか。
効果測定
ライブ後にメンバー同志の会話で「10人に声かけたって言ってるのに1人しか来なかったじゃないか!」なんて会話はないでしょうか?
これこそが効果測定です。広告活動に対して、効果を確認し、検証する。これが全ての基本です。
何人が話を聞いてくれたりチラシを見てくれたか。これを今回の記事ではPV(プレビュー)数としておきますね。
さて、バンドにおいて観客動員数を増やすにはどうしたらいいのでしょうか。
PVを増やす
根本的に、声をかける人数を増やすということは大事ですよね。
10人しか声をかけられないよりも、200人くらいに声をかけた方が良いに決まっています。
そこで大事なのは、「どんな人達に」「どんな風に」声をかけるかではないでしょうか。
どんな人達に声をかけるのか
ネット広告で言うところの、どんなユーザー属性に対して広告を打つのかという話です。
CTR(クリックスルーレート)という考え方
インターネットにおいて、広告が表示された回数に対する、その広告をクリックした人の数をCTRと言います。
広告物であるフライヤーやチラシで考えれば、受け取ってくれた人の数にあたりますね。
パンクバンドをやっているのに、ジャズバンドのライブ会場の出口でフライヤーを配ったりはあまりないと思いますが、有名パンクバンドのライブ会場なら、自分たちに興味を持ってくれる人は多少いるかもしれません。
宣伝したいものに興味を持ってくれそうな人が少しでも多い場所を選ぶということは、広告媒体の選定につながりますし、
赤枠で囲ったこんな広告たちの文字原稿を一生懸命考えたりすることは、ライブ衣装を着たりして興味を引きながらフライヤーを配るといった考え方に近いのではないでしょうか。
CVR(コンバージョンレート)を高める
さて、ネット広告の世界では、ページを見た人(PV)に対するコンバージョン数をCVRと言います。
バンドで言えば、声をかけた人数に対する来場者数にあたると思います。
様々な努力によって、チラシを受け取ってくれたり、話を聞いてくれた人がライブに来てくれる割合をどのようにして高めるか。という話です。
ここはすごく色々方法があるとは思います。
話術を鍛える
話をする時に、「君が好きなバンドのカバー曲やるよ!」だとか、「今度の対バンは凄いんだぜ!」みたいな話を上手にできるようになる。
女の子をナンパするのが超人的にうまくなる。
だとか、いろいろな方法があると思います。同じバンドのメンバーで、モテる奴が凄い集客してきたり。ありますよね。
インターネットで言えば、集客したページやサイトのレイアウトだったり、テキスト原稿であったり、はたまた煽り方だったりというものを上手に作ることでコンバージョンに結びつける、サイトのチューニングに相当するのではないでしょうか。
最近よくある、広告をクリックしたらその内容だけしか書いていないページのことを、ランディングページなんて言ったりしますが(本当はもっと広い範囲ですが割愛させてください・・・)、テキストの見出しが1箇所違ったり、ボタンの色が違うだけで大きく成約率が変わることもあります。
話術を鍛えること、それこそがインターネット広告で言うLPO(ランディングページ最適化)なのではないでしょうか。
チラシの作り方を変えてみる
話術は流石に一朝一夕でどうにかなるものではありませんので、別の方法を考えてみましょう。
チラシを作って配布する場合も、チラシが集客への入り口になりますから、ランディングページとして扱っても良いと思います。
チラシを何種類か作ってみて、ウケのいいものを採用してみるなんていう方法はどうでしょうか。
これこそがABテストと呼ばれる手法です。
LPOを実行する手段のひとつにABテストというものがあります。何種類かのランディングページを試すことで精度を高めるやり方です。
チラシも、1回作るごとに印刷代など、コストがかかりますので、極力精度を上げたいところです。
リマーケティングを試みる
ナンパ同然の営業トークや、チラシによって、たくさんの人と接触をしているとします。
すでにいくつものライブ会場の出口で、チラシを配ったことでしょう。
「これもらったことあります!」なんて言われることもあると思います。
それこそがリマーケティングなのです。
すでにそのチラシを見ている人が、興味は惹かれているけれど、ライブまではまだ。という段階で、さらに追客を行う。
そうすると、さらにひと押しで集客につながるので、非常に有効な場合もあるのです。
CPAを下げる
CPAとは顧客獲得単価のことで、顧客を1件獲得するためにかかった費用のことです。
今回は、ライブに来てくれる人を獲得するための費用がCPAにあたります。
ここまで、必死に営業活動をしていたバンドは、すでに色々とコストをかけています。
チラシの印刷代、デモテープの作成費用、友達に来てもらうためタダであげたチケットなどなど・・・
すべてのかかったコストを、来客者で割ると1人獲得にかかった費用が算出されます。この費用を次回ライブでどこまで下げるか。
なんせバンドマンは基本的にお金がないので、下げられるところは下げたいのです。
下げられるところは下げて、別の方法を試したりして、ひたすらコンバージョン(ライブ動員)数を増やしたい。
でも結局は商品ですよね
と、いうわけで、良いライブをして、リピートしてもらいたいのです。
リピートをしてもらえるということは、新たに新規開拓をする必要はないわけで、必然的にCPAも下がります。
少しでも無駄なく、かつコンバージョン数を上げていく。
そんなテーマに向かって頭をひねって提案していくのが我々のお仕事だったりします。
ものすごく端折っている上に、一部無茶な例えをしてしまいましたが、インターネットの広告屋って横文字ばっかで何言ってるのかわからない!なんて人に、少しでも興味を持っていただければ幸いです。
オマケ
バンドメンバーの超かわいい彼女(ショップ店員)に物販の売り子をしてもらう
通販サイトなんかで、「この商品を買った人はこんな商品も見ています」みたいなパーツ見たことありませんか?
あれ、レコメンドシステムとかって言いますけど、バンドメンバーの超かわいい彼女が「CD買ってくれたならこのタオルとかどうですかぁ〜(きゃぴっ」みたいにおもいっきりサジェストしている姿と同じですよね。多分。